Fast Track dietary trialについて

2019年2月22日

オーストラリアのシドニーとメルボルンの病院で、肥満した13~17歳に対する減量の臨床試験が計画されています。

臨床試験の内容は参加者全員が体重減少を始動させるため3段階のダイエットを行うもので、

  1. 全員が超低カロリーダイエットを4週間行う。これは一日に3~4回の食事をとることになる。ダイエット食品は無料で提供される。
  2. 参加者は無作為に2種類のダイエットのどちらかに振り分けられる。割り当てられたダイエットにそって食事をする(期間:12週間)。管理栄養士とは2-4週間に一度コンタクトをとる。
  3. 割り当てられたダイエットを継続する(期間:36週間)。管理栄養士からのサポート有(内容・頻度は不明)

米国の摂食障害の医学会であるAcademy for Eating Disorders(AED)、オーストラリアとニュージーランドの摂食障害学会Australia & New Zealand Academy for Eating Disorders(ANZAED)をはじめ多くの専門職団体が反対を表明し、署名活動を開始しました。

1940年代に米国で健康な男性を対象に6ヶ月間の約1600kcalの半飢餓臨床試験が行われました。試験実施場所名からミネソタ研究と呼ばれます。試験中に、神経性やせ症に似た身体、精神、社会面で多大な健康被害が発生しました。途中で自殺企図者が現れ、終了後全員が過食になり、36名中6名は精神科治療を必要としました。

過激なダイエットは摂食障害の誘因になりえます。これらのエビデンスを鑑みて、当協会もこの臨床試験に反対の立場を表明します。



<ご参考>